マーケティング業務でAIを使っていると、
うまくいっているようで、前に進んでいない瞬間がある。
ペルソナを細分化しすぎるとき。
競合分析を広げすぎるとき。
アイデアが増えすぎて決められないとき。
いくつかあるが、
私が真っ先に思い浮かべたのは LPのキャッチコピー制作 だった。
なぜか。
いまでも、やってしまうからだ。
「今度こそ良いコピーが出るのではないか」と思い、
再生成ボタンを押してしまう自分が、まだいる。
だから今回は、あえて迷走を再現し、
どこで #整理 を発動すべきだったのかを検証してみることにした。
テーマは、
行動できない人向けマインドセミナーのキャッチコピー。
そして今回は、あえて
ビジネス系の問題解決型コピーで知られる神田昌典氏になりきらせる
という設定を入れてみた。
マインド系のテーマに、ロジック型コピーライターをぶつける。
少し歪んだ組み合わせだ。
だが、それが狙いでもあった。
私はBtoB領域が専門で、このテーマに対する評価軸が強くない。
評価軸が曖昧なとき、人は「強い型」に寄りかかる。
その状態を、あえて再現してみた。
最初の出力は悪くなかった。
それっぽい。
整っている。
だが、刺さらない。
ここから軸が増えていく。
「もっと寄り添ってほしい」
「もう少し内面に寄り添う方向に」
安心感を足したくなる。
「安心感は残しつつ、“このままではいけない”も入れて」
寄り添いと危機。
軸が二つになる。
そして私は言った。
「ぜんぜん神田領域に入っているように見えません。このコピー自体がズレている気がします」
ここで空気が変わった。
本来の目的は
「参加したくなるコピーを作ること」
だったはずだ。
だがこの頃には、
を評価していた。
気づけば、
コピーではなく「神田らしさ」を作るゲームになっていた。
集客の話は、どこかに消えていた。
今回の迷走で起きていたこと。
神田は手段だった。
だが、いつの間にか目的になっていた。
「なんか違う」と言いながら、
何が違うのかは言語化できていなかった。
評価軸を持たないまま生成を続けていた。
いま振り返ると、
判断を先送りしていただけだった。
あの瞬間。
「神田領域に入っていない」と言ったとき。
本当は、そこで止めるべきだった。
出力を変えるのではなく、
問いを変えるべきだった。
生成を止め、問い直した。
見えてきたのは、
必要なのは文体ではなく、
行動しない状態を維持できなくする心理設計だったということ。
神田は機能であって、人格ではない。
今回見えたサイン。
どれかが出たら、
生成を止めた方がいい。
違和感を言語化できない時点。
ズレきってからではなく、
ズレ始めたとき。
#整理は後始末ではなく、
迷走を深めないためのブレーキだ。
AIは疲れない。
だが、人間の時間は有限だ。
再生成ボタンは、判断を代行してくれない。
評価軸を持たないまま生成を続けると、
削られるのは能力ではなく、時間だ。
迷走は能力の問題ではない。
設計の問題だ。
そして #整理 は、
迷走してから使うものではなく、
迷走しそうなときに使うものだと思う。