0|なぜこのAIブログを始めたのか 生成AIを実務に組み込み始めたとき、 私が直面したのは「使い方」ではなく、
AI実務設計ログ#整理はいつ発動すべきか― LPキャッチコピー迷走実験ログ ―
0|迷走しやすい業務は何か
マーケティング業務でAIを使っていると、
うまくいっているようで、前に進んでいない瞬間がある。
ペルソナを細分化しすぎるとき。
競合分析を広げすぎるとき。
アイデアが増えすぎて決められないとき。
いくつかあるが、
私が真っ先に思い浮かべたのは LPのキャッチコピー制作 だった。
なぜか。
いまでも、やってしまうからだ。
「今度こそ良いコピーが出るのではないか」と思い、
再生成ボタンを押してしまう自分が、まだいる。
だから今回は、あえて迷走を再現し、
どこで #整理 を発動すべきだったのかを検証してみることにした。
1|実験設計:あえて歪ませる
テーマは、
行動できない人向けマインドセミナーのキャッチコピー。
そして今回は、あえて
ビジネス系の問題解決型コピーで知られる神田昌典氏になりきらせる
という設定を入れてみた。
マインド系のテーマに、ロジック型コピーライターをぶつける。
少し歪んだ組み合わせだ。
だが、それが狙いでもあった。
私はBtoB領域が専門で、このテーマに対する評価軸が強くない。
評価軸が曖昧なとき、人は「強い型」に寄りかかる。
その状態を、あえて再現してみた。

2|実験A:迷走はこう始まる
最初の出力は悪くなかった。
それっぽい。
整っている。
だが、刺さらない。
ここから軸が増えていく。
「もっと寄り添ってほしい」
「もう少し内面に寄り添う方向に」
安心感を足したくなる。
でも動機が弱い
「安心感は残しつつ、“このままではいけない”も入れて」
寄り添いと危機。
軸が二つになる。
神田領域に入っていない
そして私は言った。
「ぜんぜん神田領域に入っているように見えません。このコピー自体がズレている気がします」
ここで空気が変わった。
3|転換点
本来の目的は
「参加したくなるコピーを作ること」
だったはずだ。
だがこの頃には、
- 神田らしさはあるか
- 神田構文に入っているか
- 神田性は足りているか
を評価していた。
気づけば、
コピーではなく「神田らしさ」を作るゲームになっていた。
集客の話は、どこかに消えていた。
4|迷走の正体
今回の迷走で起きていたこと。
① 手段と目的の入れ替わり
神田は手段だった。
だが、いつの間にか目的になっていた。
② 評価軸の不在
「なんか違う」と言いながら、
何が違うのかは言語化できていなかった。
評価軸を持たないまま生成を続けていた。
③ 「もっと」の増殖
- もっと優しく
- もっと危機感を
- もっと核心を
- もっと神田的に
いま振り返ると、
判断を先送りしていただけだった。
5|本来 #整理 はどこだったか
あの瞬間。
「神田領域に入っていない」と言ったとき。
本当は、そこで止めるべきだった。
出力を変えるのではなく、
問いを変えるべきだった。
6|実験B:#整理を発動する
生成を止め、問い直した。
- 今回の目的は何か
- 神田らしさは本当に必要か
- 優先順位は何か
- 切り捨てる軸は何か
見えてきたのは、
必要なのは文体ではなく、
行動しない状態を維持できなくする心理設計だったということ。
神田は機能であって、人格ではない。
7|迷走のサイン
今回見えたサイン。
- 目的より手段の話をしている
- 「もっと」と言い始めている
- 違和感を言語化できない
- 文体の正しさを評価し始めている
どれかが出たら、
生成を止めた方がいい。
8|#整理はいつ発動すべきか
違和感を言語化できない時点。
ズレきってからではなく、
ズレ始めたとき。
#整理は後始末ではなく、
迷走を深めないためのブレーキだ。
9|時間の話
AIは疲れない。
だが、人間の時間は有限だ。
再生成ボタンは、判断を代行してくれない。
評価軸を持たないまま生成を続けると、
削られるのは能力ではなく、時間だ。
10|暫定まとめ
迷走は能力の問題ではない。
設計の問題だ。
そして #整理 は、
迷走してから使うものではなく、
迷走しそうなときに使うものだと思う。